タクミシネマ        G ガール 破壊的な彼女

 G ガール 破壊的な彼女    アイバン・ライトマン監督

 強くなったアメリカの女性に対して、
男性たちがいささかの揶揄を込めながらも、仲良くやっていこうとエールを送る映画である。
「My super ex-girlfriend」という原題だから、「ボクの元彼女はスーパーガール」とでも言ったらいいだろうか。
B級映画ではあるが、我が国では決して撮られることはない種類の映画で、人権に対する彼我の違いを認識させられる。

imdbから

 グレート、ゴージャス、もしくはジャイアント? 「G」とは何から来たのだろうか。
いずれにせよ、主人公はスーパーマンの女性版である。
しかし、映画は男性の視点から撮られている。
そのため、女性が嫉妬深いとか、反対に優しいとか、女性への先入観が至るところに見られる。

 設計事務所の部長マット(ルーク・ウィルソン)は、気の良いヤツだが、女性には奥手だった。
友人のヴォーン(レイン・ウィルソン)に励まされて、やっと恋人を獲得した。
しかし、その恋人ジェニー(ユマ・サーマン)は普通の外観だが、何とGガールだった。


 最初のうちは、楽しい語らいがあり、めくるめくベッドだった。
しかし、彼女は何だか変だ。
どうも普通の女性とは違う、と彼は感じ始める。
やがてジェニーに秘密を打ち明けられ、びっくり仰天するマットだが、異常さに躊躇心が芽生えてくる。
そして、部下のハンナ(アンナ・ファリス)が優しくしてくれるのを、ジェニーに目撃されたから大変。
彼女は嫉妬に狂い、Gパワーが炸裂し始めた。

 男性が強いのなら、まったく問題はない。
「スーパーマン」「バットマン ビギンズ」、最近でも「スパイダー マン」と、いくらでも撮られている。
しかし、男性が指導者、女性は従者という心理構造から、いまだ誰も自由になれていない。
そのため、男性がいた地位に、女性が入れ替わっただけで、問題が多発する。
強い女性にオンブにダッコすればいいのに、男性は強い女性に頼れないし、強い女性も自立できない。

 ベッドでジェニーが上になるが、彼女の腰使いがあまりにも強いので、ベッドが壊れてしまう。
幸いにペニスは大丈夫だったが、勃起力の強い男性とは違った問題が発生する。
大波乱の末、幼なじみのベッドラム教授(エディ・イザード)が、彼女の恋人には最適だと教えて、マットは彼女から解放される。
そして、彼は幼な顔のハンナと結ばれるが、しかし、ハンナもgガールになってしまう。

 Gガールを恋人にもった2人の男性は、それなりに上手くやり始める。
そこへ危機発生である。
2人のgガールは手を取り合って、危機を救うために空へと舞い上がって、夜空へと消えていく。
そこに取り残される2人の男たち。
結論としては、男女の役割が入れ替わっても、上手くやっていけるというのだろうが、
いろいろと問題が多発しそうである。 
  2006年アメリカ映画
   (2007.2.14)

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